カメラマンでカワラマン 山田脩二

 【やまだ・しゅうじ】1939年、兵庫県西宮市甲子園生まれ。1960年、桑沢デザイン研究所を修了後、印刷会社で印刷と写真の技術を2年間学ぶ。退社後、常滑や瀬戸内海などを旅する。1960-70年代、主に建築・美術などの写真を撮る一方、新旧入り交じった村、街、都市の光景も撮り、数多くのメディアに取り上げられた。1982年に職業写真家に「終止符宣言」をして、兵庫県淡路島の瓦生産地集落・津井に移り住み、瓦師(カワラマン)に転身。伝統的な“いぶし瓦”を現代の新たな空間に活かす仕事をしながら、地域に点在する炭焼の現場を訪ね回る。写真(紙)を焼き、土(瓦)を焼き、木(炭)を焼き、スミからスミまで“焼き”にこだわり続け、終に焼きと酔いが回っていい歳になってしまった。
 1991年「吉田五十八賞(特別賞)」、2000年「山田脩二のかわらの使い方」により「グッドデザイン中小企業庁長官特別賞」、2002年「井植文化賞」、2007年「織部賞」、2008年「日本建築学会文化賞」などを受賞。「15人の写真家」展(1974年、東京国立近代美術館)、「現代日本写真家」展(1977年、グラーツ市立美術館、オーストリア)、「山田脩二の軌跡–写真、瓦、炭…展」など、展覧会出品。主な著書に『山田脩二・日本村1969-79』(1979年、三省堂)、『カメラマンからカワラマンへ』(1966年、筑摩書房)、『日本の写真家 第39巻 山田脩二』(1988年、岩波書店)、『山田脩二 日本村1960-2020』(2020年、平凡社) 『カラー版 『日本村』2022-2024 島』(2024年、ぴあ)